横浜へ引っ越してきました。屏風浦から日々の生活を綴ります。

2013年10月15日火曜日

淡きみどりのウマオイのかげ

歌集、「芒たり」より。

作者、三浦礼子さん。新潟県上越市在住。

朝日新聞の歌壇で、入選した短歌を一冊の本にして
自費出版したもの。


「ひとり住み夜半を米磨ぐ窓の外に淡きみどりのうまおいのかげ」


夫は他界し、子供たちも家を巣立った。
夏が過ぎ、秋が来る。

明日の朝のために、夜中、コメを磨ぐ。

随分近くで、すいっちょん、と虫の声がする。

 目を上げると台所の窓のさんに、ぼんやりと、薄緑のうまおいの影があった。


この年になると、情景がとても胸に迫る。